活動レポート
2020年6月

2020.06.11

令和2年 第4回 定例会 一般質問の報告

6月11日、令和2年第4回定例会で、会派を代表して一般質問を行いました。 今回取り上げました質問項目は、以下の6項目です。

1.「新しい生活様式に対応するテレワークの推進について」

(1)広島市職員のテレワークの推進について
(2)東京一極集中の是正への環境整備について

2.「若年層に対するデートDVの周知について」


3.「新しい生活様式に対応した高齢者福祉について」

(1)高齢者いきいき活動ポイントへのスマホアプリなどの導入について
(2)成年後見制度20周年事業について

4.「子宮頸がんの予防について」

(1)HPVワクチンの情報の正確な通知について
(2)子宮がん検診の促進について

5.「広島市所管施設のサーモグラフィーの設置について」


6.「行政事務の品質の向上について」

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1.新しい生活様式に対応するテレワークの推進について
(1)広島市職員のテレワークの推進について

それでは、はじめに、「新しい生活様式」に対応するテレワークの推進について質問いたします。 新型コロナウイルス感染症対策で、国が最低7割、極力8割程度の接触機会の低減を目指して、外出の自粛を要請したことにより、民間・国・自治体問わず、テレワークの一種である在宅勤務が数多く導入されました。 さて、テレワークとは、インターネットなどを活用して、勤務の場所や時間にとらわれず柔軟に働く方法の総称です。総務省や厚生労働省では主に「テレワーク」との名称を使っていますが、リモートワークと呼ばれることもあります。「在宅勤務」は、テレワークの一種で、「企業に雇用されている」「自宅で業務に従事する」ことをいいます。 現在、外出の自粛が随時解除されていきましたが、今後、新型コロナウイルスの感染拡大を予防する「新しい生活様式」が求められる中、テレワークの環境も、より一層充実・拡大する必要性があります。 平成27年12月の本会議で、わが会派の渡辺議員が、テレワークの推進について、「本市では、職員の家庭生活の充実、及び業務効率向上等を図るため、平成22年7月に広島市職員テレワーク実施要領を定め、職員の勤務形態の一つとして、在宅勤務を導入したが、市職員のテレワークの実施状況と、今後の取組みはどうなっているか」と質問した際に、本市の答弁では、「近年実施が低迷しているため、職員のニーズや他の自治体での実施状況を踏まえながら、運用上の必要な見直しを行い、より活用しやすい制度にしていきたいと考えております。」と答弁されました。
そこで、お伺いします。

質問:

平成27年以降、本市における市職員のテレワークの推進のために、これまでどのような取組みを行ってきたのでしょうか?また、その取組みによりテレワークの利用状況はどのように推移したのでしょうか?お答え下さい。

答弁:

本市では、育児や介護といった職員の家庭生活の充実や業務効率の向上を図るため、平成22年度からテレワークを導入しています。
しかし、利用が低迷していたことから、業務実績報告の簡素化等の運用の見直しを行いましたが、年間1件程度の利用に留まったままで、利用件数が伸びる状況には至りませんでした。
そこで、平成30年9月からは、職員個々の家庭生活の状況に応じた利用を可能とするため、これまでは1日単位に限定していた利用を、早朝や夜間も含めて半日単位や1時間単位で利用できるように運用の見直しを行った結果、平成31年度の利用件数は7件に増加しました。

本市では今回のコロナ危機までは、テレワークが積極的に利用されてなかったようです。実は一般企業などでも、テレワークの利点は理解されているのに、あまり導入されていませんでした。理由として、①セキュリティ面の不安があること、対処するにはコストの問題があること、②コミュニケーション不足により、うまく連携が取れず、生産性が落ちる可能性が懸念されること、③勤務実態が把握しづらく、業務プロセスではなく成果主義になるので、評価制度を見直す必要が出ること、④仕事とプライベートの切り替えが難しく、長時間労働や残業時間の増加につながること。などがあげられます。しかし、実際にテレワークを導入してみると、それが杞憂だったという声を私は多く聞いています。
そこでお伺いします。

質問:

本市において、テレワークの推進のためにこれまで進めてきた取り組みとは別に、新型コロナウイルス感染症対策で、①換気の悪い密閉空間、②多くの人が密集する場所、③互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる密接場面の、感染拡大の危険性が高い「3つの密」を避けるために、新たな取組みを行ってきたのでしょうか?また、それはどのような内容でしょうか?
そして、この感染拡大防止を目的とした新たな取組みの結果として、本市におけるテレワークの利用状況はどのように推移したのでしょうか?
さらに、テレワークを利用する職員が増えた結果、本市の業務において何か問題点などは発生しましたか?お答え下さい。

答弁:

新型コロナウイルス感染症の拡大防止を図るため、本年3月から、本市職員の出勤者数を抑制する取組の一つとして、育児や介護等の理由がない場合でもテレワークの利用を可能とする特例措置を講じ、その利用を強力に促しました。その結果、本年度の利用件数は5月末時点で、82件と大幅に増加しています。
また、これまでのところ、テレワークの利用が増えたことによる問題は特に生じていません。

さて、テレワークは障害者の雇用においても非常に効果的なことが分かっています。当事者だけでなく社会全体に対してもメリットが生まれます。テレワークの実施は、地域を問わない優秀な人材の確保を可能とし、障害者の、就業や能力発揮の機会を増やします。また、就業による環境変化によるストレスが減少し、勤怠不良の影響が少なくなります。さらに、対面コミュニケーションが苦手な方にとって有効な働き方となります。
そこでお伺いいたします。

質問:

本市における障害者の雇用環境の整備において、テレワークは有効な手段と考えていますが、これまでの本市の取組みを教えて下さい。

答弁:

議員御指摘のとおり、障害者である職員が働きやすい環境を整備していくことは重要であると考えており、その一環として、本年度から、障害者である職員の通勤負担の軽減を理由とするテレワークを可能としたところです。
今後も、障害者である職員の意見等を聞きながら、必要な対応を検討してまいります。

さて、テレワークのメリットは、通勤時間がなくなり、そのことで、体調・体力面で業務上のパフォーマンスが上がり、子供を育てる環境の整備(これには、出産する女性のキャリア養成の環境整備も含みます)などの少子化対策が進み、多様性社会の実現のための障害者雇用の環境整備、交通渋滞の緩和、交通費の削減など数多くあります。
そこで、お伺いいたします。

質問:

今後とも、本市において市職員のテレワークの推進にさらに力を入れていくべきだと思いますが、本市のお考えをお聞かせ下さい。

答弁:

新型コロナウイルス感染症の拡大防止を図る取組により、本市においてもテレワークの利用が大幅に増加し、職員の中にテレワークの利用に対する理解が広まりつつあると考えています。
テレワークは、個々の職員の家庭生活の状況に応じた柔軟な働き方を可能とし、職員のワーク・ライフ・バランスの実現等につながるものであることから、今後も推進していく必要があると考えています。そのため、今般の特例措置の実施状況を検証しつつ、要件の緩和や機器等の整備など、ソフト・ハードの両面から、引き続き職員がテレワークを利用しやすい環境整備に取り組んでまいります。

1.「新しい生活様式に対応するテレワークの推進について」
(2)東京一極集中の是正への環境整備について

さて繰り返しになりますが、在宅勤務などのテレワークは、新型コロナウイルス感染症対策を契機に急激に増えています。私の周りでも、「やってみると便利だし、今後も続けていきたい」との声が多くあります。最近は便利なツールも増えてきて、私自身も、テレビ会議などの利用が増えています。移動時間が不要なので、時間の効率的な利用が可能で、今後もこの状況は続いていくものと思われます。実際、それを裏付けるような報道も増えています。 テレワークが増えると、事業所が必要とするオフィスの面積が少なくなり、結果、空きオフィスの増加などのデメリットもあります。しかし、見方を変えると、広島などの人口流出が続く地方においては、これを地方創生のチャンスとすることが出来ます。
例えば、賃料の安い地方へオフィスを分散移転するなどの企業の誘致、それによる空きオフィスの解消・就業人口の増加です。さらに、これは東京一極集中の解消に繋がり、日本全体を災害に強くする取組にもなります。
このことに関しては、平成27年12月の本会議で、渡辺議員が、「国は労働者のワーク・ライフ・バランスと地域の活性化を実現する有効な手段として、テレワークを社会全体に波及させる取り組みを推進していくことを示し、例えば、ITの専門知識を持った地方への移住者に、都心の企業がインターネット環境を利用して仕事を提供し、地方への定住促進につなげる、いわゆる、ふるさとテレワークに自治体や企業が力を入れており、本市としても、こうしたICTを有効活用した国の方策や全国的な動向なども踏まえ、市民のワーク・ライフ・バランスや地域活性化につながるテレワークを全市に広めていくことが大切であり、関係部局が連携して、組織横断的に取り組む必要がある」と質問したのに対し、本市は「大都市圏からの社員の移動を伴う本社機能の一部移転や、子育て、親の介護を行っている者の就業の継続等の効果も期待できるもので、場所にとらわれない就業を可能とし、多様で柔軟な働き方の実現につながることから、テレワークを社会全体へ波及させる取り組みを進めることは、地域の活性化や労働者のワーク・ライフ・バランスを実現する上で有効であると認識しております。本市としては、テレワークの推進には事業者の主体的な取り組みが不可欠であることから、こうした実証事業の成果等を踏まえ、事業者にどのようなニーズがあり、それに対して地方自治体としてどのような支援や協力を行うことが有効なのか等について、今後、関係部局と連携して研究してまいりたいと考えております。」と答弁されております。
そこで、お伺いいたします。

質問:

本市において、民間の企業誘致の取り組みの現状や、これまでの企業立地促進補助制度のうち、オフィスの賃借の補助の過去5年間の活用状況はどのようになっていますか。お答え下さい。

答弁:

現在、本市では、大規模産業用地の確保が当面見込めない中、中心部のテナントビル等への誘致に注力することとしており、「広島市企業立地促進補助制度」を設け、製造業を中心とした企業と連携することにより雇用機会を創出する効果が期待できる情報サービス業等の都市型サービス産業や、ヒト・モノ・カネ・情報を広島広域都市圏に呼び込むことが期待できる本社機能をターゲットに誘致活動を行っています。 また、企業立地促進補助制度のうち、テナントビル等の賃借に対する補助の活用実績は、平成27年度が2件、平成28年度が5件、平成29年度が2件、平成30年度が2件、令和元年度が6件となっています。

「新しい生活様式」の中で、今後も民間のテレワークの導入はさらに増えていくものと思われます。いつもは、自然の多いところでテレワークをし、必要なときにだけ、街のオフィスに出勤するという生活様式も増えていくでしょう。これは、本市における人口減少地域の活性化にもつながります。さらに、官庁の機能の分散化による、災害リスクの低減などにも活用できるはずです。しかも、多額の公共工事などのハード面での整備を必ずしも必要とするわけではなく、とりあえずは、今ある設備を改善することで先行実施できる、つまり、ソフト面での整備で実現可能なものなのです。
そこで、お伺いいたします。

質問:

テレワークの普及は、東京一極集中の是正の契機と成りうることからも、本市がその受け皿となるべく、都心における都市機能の充実・強化を図るべきだと考えますが、本市のお考えをお聞かせください。

答弁:

本市では、広島駅周辺地区と紙屋町・八丁堀地区を都心の東西の核と位置付け、都市機能の集積・強化を図ることにより、相互に刺激し高め合う「楕円形の都心づくり」を進めています。
平成29年には「ひろしま都心活性化プラン」を策定し、国内外の人々や企業などを惹きつける都心の魅力向上や質の高い都市環境の整備など、都心活性化に向けた様々な施策に取り組んでいるところです。
また、平成30年に都市再生緊急整備地域に指定された紙屋町・八丁堀地区の「地域整備方針」では、「広島」が平和と文化を世界に発信し、国内外から様々な人々を惹きつける魅力あるまちとなることを目指し、土地の高度利用や都市機能の充実・強化等により、国際平和文化都市にふさわしい都市空間を形成することを当地区の整備の目標としています。 さらに、現在、国においては、本市の申出を受け、都市再生緊急整備地域である広島駅周辺地区と紙屋町・八丁堀地区について、税制優遇等が更に拡充される「特定都市再生緊急整備地域」の指定に向けた検討が進められており、本市における民間開発の機運は、より一層高まることが期待されます。
本市としては、こうした機運を最大限に生かし、本年2月に導入した都市計画提案要件の緩和や附置義務駐車場の隔地基準の緩和といった開発促進策を活用しながら、最新の企業ニーズに応える高規格オフィスなど、良質な民間開発の積極的な誘導に努めているところです。
テレワークが本格的に普及するならば、生活環境を重視した勤務地を選択することにより、優秀な人材の確保を図る企業も増加することが見込まれます。
こうした中で、本市は、市域のおよそ20分の1しか占めていないデルタ地域内において、今述べたような方針の下で「楕円形の都心づくり」を進めているところであるが、山、川、海に近接し豊かな水と緑に囲まれた、人々の暮らしやすい生活環境に恵まれている残りの地域とセットでまちづくりを進めていくことによって、国内外の様々な方から「選ばれる都市」となるよう、今後とも、新たな開発促進策の導入などを通じて、更なる都市機能の充実・強化を図っていきたいと考えています。

質問:

現在、すでに厚生労働省で実施しているオフィスのテレワークへの対応費用などの助成がありますが、それに加えて、本市においても企業立地促進補助制度について、対象業種の拡大や、条件の緩和などの拡充が必要だと思いますが、お考えをお聞かせ下さい。

答弁:

議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の拡大により、企業によるテレワークやWeb会議が大きく促進されたことに伴い、感染症終息後における働き方、働く場の形態が大きく変わる可能性があり、事務所の場所が変わっても同程度の成果を出すことが可能な情報サービス業等について、家賃など高額な固定費がかかる大都市圏から地方都市への事務所の移転を検討する企業も増えることが予想されます。 こうした状況は、一層の都市機能の充実・強化を進める本市にとって大きなチャンスであることから、この機をとらえ、東京のプロモーションセンターと連携し、首都圏の企業へのアンケートなどにより、誘致の可能性のある新たな企業を掘り起こすとともに、企業ニーズを収集・分析し、補助制度を含め、より効果的な誘致策について検討を行いたいと考えています。

質問:

さらに、テレワークの推進には、本市に移住しやすくする政策も必要です。特に、テレワークの担い手の中心となる子育て世代においては、例えば保育園などの準備、学校の転校の手続きなど子育てに関することを、転居前にある程度準備できることが、移住の決断には重要な要素になります。また、例えば保育園の空き情報なども含めた情報に、インターネット上で簡単に検索できることも、移住することを検討している方には必要です。本市において、これらの情報公開の拡充、例えば子育ての手続き、転入などに伴う手続きなどの簡素化も必要だと思いますが、どのようにお考えでしょうか。お聞かせ下さい。

答弁:

転入時の手続きに関する情報発信については、必要な手続きや手続きの仕方などを記載した一覧表をホームページに掲載し、周知を図っています。しかしながら、保育園の空き情報などの子育てに関する情報とリンクしていないため、子育て世代にとって転入時に必要な情報が、分かりやすくなるよう、ホームページの掲載の仕方を工夫するなど内容の充実に努めてまいります。
また、転入の手続きに来庁された際は、総合案内等で状況をお聞きし、必要となる手続きや担当課を御説明した上で、手続きを行っていただいていますが、各担当課でそれぞれ申請書類を記載したり、課を移動したりしていただく必要があります。
本市では、市民本位の行政サービスの提供を図る観点から、区役所窓口における市民サービスの向上と業務の効率化を進めることとしており、今年度中の死亡時のワンストップサービスの導入に続き、来年度から転入時の手続きのワンストップサービスの検討を行ってまいります。

要望:

テレワークの推進ですが、現座の業務の進め方は、そもそもテレワークが前提として設計されていないと思います。本市が進めている行政事務の改善の取り組みと連携して、仕事のやり方を改革しながら、テレワークの推進を積極的に進めるよう要望します。 民間の企業誘致については、郊外の活性化、周辺市町との連携も含めて進めるよう要望します。

2.若年層に対するデートDVの周知について

つぎに若年層に対するデートDVの周知について質問します。
DVとはドメスティック・バイオレンス(Domestic Violence)の略語で、配偶者間暴力や夫婦間暴力を指すため、本来的には婚姻関係のある夫婦の間のみに用いられる用語です。ただし、実際には、婚姻関係を結んでいない事実婚・内縁関係の間でも暴力が問題になるため、DVには事実婚・内縁関係にある男女間での暴力も含まれています。デートDVの「デート」とは、交際中の男女間のデートを指しています。つまり、夫婦や事実婚・内縁関係ではない交際中の男女間での暴力を「デートDV」と呼びます。
DVといえば、まずは身体的暴力をイメージする方が大半ですが、暴言や侮辱的な言葉で精神的な圧力をかける行為や、相手の行動を制限することなどもDVとみなされます。また、セックスに応じないと不機嫌になって暴力的になる、異常な性行動を強要されるなどのほか、経済的に束縛して自由な行動ができないようにする場合もDVとされます。
本市においては、平成22年に策定した「広島市配偶者等からの暴力の防止及び被害者支援基本計画」を、平成28年に改定して、デートDVに対しても、市民意識の醸成、学校などでの教育、相談体制の整備を宣言しています。
そこで、お伺いいたします。

質問:

本市において、現在までのデートDVに対する取組状況はどのようになっていますか?お答え下さい。

答弁:

デートDVの防止のためには、特に若年層に対し早い段階からの啓発が必要であると考えており、教育委員会と連携し、学校での取組を中心に啓発活動等を推進しています。
具体的には、平成25年度から、高校生を対象としたデートDVの防止・啓発のためのリーフレットを作成し、市内の高等学校及び専修学校等の1年生に配布しています。また、平成26年度からは、中学校2年生を対象に配布している男女共同参画啓発用冊子の中で、デートDVに関する内容を掲載しています。さらに、平成27年度からは、市内の大学、短期大学等にもリーフレットを送付し、学生課等での配架などによる周知・啓発への協力をお願いしているところです。
また、学校においては、全校に教育相談・支援主任や生徒指導主事、養護教諭など複数の教員で構成する「ふれあい相談窓口」を設置し、生徒や保護者等がいつでも相談できる体制を整備しています。

先日、本市において18歳以上の者を対象として実施された「広島市・男女共同参画に関するアンケート調査」では、次のような結果が出ています。 デートDVの言葉の認知度は50.5% デートDV含めたDVを受けた方について、相談していない方が39.4% デートDV含めたDVを受けた方の相談先として、広島市の設置している相談所の利用は、ほぼ0% 相談先としては、友人・知人・家族などが、合わせて31%で一番多い状況です。 さらに、先日、DVを実際に受けた方を対象に実施された「配偶者等からの暴力の被害に関するアンケート調査」では、次のような結果です。 DVについて相談していない理由として、相談先が分からないというのは50%。 また、最近、コロナウイルス感染症対策で外出自粛が行われた結果、10代の望まぬ妊娠が増えているとの報道がされています。正しい性教育が行われていないことも理由の一つかもしれませんが、デートDVの被害も多いようです。若い年代からのデートDVの教育が必要な状況です。
そこで、お伺いいたします。

質問:

今後、デートDVについてさらなる教育、相談体制の整備、取組の広報が必要であり、特に、高校生などの10代に対する取組が必要だと思いますが、本市の今後の取り組みについてのお考えをお聞かせ下さい。

答弁:

平成31年度に実施した男女共同参画に関するアンケートにおいて、デートDVに関する認識はまだ高いとはいえず、また、相談に結び付きにくい状況があることが伺えました。このため、デートDV防止についての啓発や相談先の周知などに一層取り組んでいく必要があると考えています。
今後は、関係機関等と連携を図りながら、毎年11月に実施する街頭啓発において、若年層へのデートDVに関するリーフレット配布などを行うとともに、特に高校生などの10代に対する支援については、昨年度実施したアンケート調査の結果の中で、相談窓口を知ったきっかけとして高い割合の回答があった、相談先を記載した名刺サイズのカードを、高校生の利用が多い施設等の女性トイレに設置するなどして、被害者への相談先の周知を図ってまいります。また、こうした取組を広く知っていただくため、市の広報番組や車両広告なども活用したいと考えています。

質問:

本市における今までの取組の結果の確認、および今後の改善について、アンケート調査などが必要だと思います。広島県では若年層のデートDVの意識調査を行っておりますが、広島市で行う予定はありますか?お答え下さい。

答弁:

広島県では、DV対策の推進の基礎資料とするため、平成28年度から毎年、県内の高等学校や特別支援学校高等部など109校の2年生男女を対象に、若年層におけるデートDVに関する意識調査を実施しており、その調査結果につきましては、本市の施策を進める際の参考としています。
議員ご指摘の本市独自の意識調査についてですが、施策の実施状況の確認・評価は重要なことと認識しておりますので、学校の意見等も踏まえ、教育委員会と協議しながら検討してまいります。

要望:

つぎに若年層に対するデートDVの学校でのアンケートですが、前向きの回答ありがとうございます。 ただ、今までのように紙で実施し、集計するなどの方法では、現場の先生に新たな負担を強いることになり、実施しない方向になってしまいます。GIGAスクールの取り組みが前倒しになることもあり、生徒一人一人にタブレットを配布することが早期に実現しそうです。授業での活用も必要ですが、アンケートの実施などにおいてもタブレット上のアプリで実施することによって、現場の先生の負担が軽くなり、また、リアルタイムで集計が可能となることで、授業での反映などあらたな取り組みも可能になる可能性があります。是非、早い実施を念頭に検討をお願いいたします。

3.新しい生活様式に対応した高齢者福祉について
(1)高齢者いきいき活動ポイントへのスマホアプリなどの導入について

つぎに、「新しい生活様式」に対応した高齢者福祉について質問します。
「高齢者いきいき活動ポイント事業」とは、広島市在住の70歳以上の高齢者が、自らの健康づくりや地域支援のために行う活動を奨励するもので、活動実績に基づき付与されるポイント数に応じて、奨励金を支給する事業です。本年度から、対象年齢が65歳以上に拡充されます。
新型コロナウイルス感染症の重症化の危険性が高い高齢者が対象の事業であることから、本市においても、いきいき活動においては、「屋内であれば100人以下、かつ収容定員の半分以下、屋外であれば200人以下、かつ人と人との距離を十分に確保できること」など、感染防止対策をお願いしています。また、クラスターが発生するおそれのある、密閉された空間で大声の発生、歌唱や声援又は近接した距離での会話等が想定されるイベント等の「三つの密」のある集まりについては、中止又は延期の検討をお願いしています。
そうしたなかで、本市は、「新しい生活様式」に対応した活動の事例として、 いきいき百歳体操を在宅で行う場合に、参加者がコンピューターネットワークに接続することにより、オンライン上で複数の参加者が同時に体操を実施する。
オンライン上で可能な活動(将棋や囲碁など)については、さらに活動団体間で交流するなど、活動の輪を広げる。 一時的に品薄状態となっているマスクを町内会や学校に寄贈するために、サロン会員が各自在宅でマスクを作成する。
電話やオンラインなどを活用して、声掛け・見守り活動を行う。
など、インターネットなどを利用した活動を呼びかけています。また、このような活動を支援するために、約1億2千万円の予算をかけて、登録団体の責任者に対してはタブレットの貸与を行う事が出来るよう準備しているところです。しかし、高齢者各個人が持っているポイント手帳については、紙の手帳だけのままのようで、印鑑を押印してもらうために登録団体の責任者のところに行かなくてはなりません。
そこで、この手帳をスマートフォン上でのソフト(アプリ)としても利用できる仕組みを整備することが必要だと思います。
これにより、登録団体の責任者に対して貸与するタブレットの利用の推進にもなります。さらに、副次的には、老人会などで利用することで、会の活性化にもつなげることが出来ます。
また、この仕組みは、将来的には、市政の情報の配信・防災情報の配信などの情報プラットフォームにもなり得るものです。よって「新しい生活様式」に対応した「高齢者いきいき活動ポイント事業」に対しては、ハード面での整備と共に、ソフト面での整備に、是非積極的に取り組むべきではないかと考えます。
そこで、お伺いいたします。

質問:

ポイント手帳をスマートフォン上のアプリにすることで、手帳の作成費・郵送費などの削減、ポイントの集計作業等に係る費用削減が図れると考えますが、現在の事務における郵送費などの事務経費についてお答えください。

答弁:

令和2年度予算では、ポイント手帳など関係書類の作成やポイントの集計、高齢者からの問合せに対応するコールセンターの設置など、事業の運用に係る委託料が約2億7,500万円となっています。また、ポイント手帳や獲得ポイントの通知などに係る郵送費が約8,800万円となっています。

質問:

また、「高齢者いきいき活動ポイント事業」の対象者が65歳以上に拡充することから、スマートフォンを利用する対象者が今後飛躍的に増えることが見込まれることからも、ポイント手帳の電子化は必須です。しかし、スマートフォンを持っていない方も考慮する必要があることから、ポイント事業の対象者は、ポイント手帳の紙・アプリどちらも選択可能としてはどうでしょうか?本市のお考えをお聞かせ下さい。

答弁:

本市は、先の補正予算において、感染予防の観点から外出によるポイント活動が抑制された中でも、在宅での健康づくり等に資する活動に取り組んでいただくための重要なツールとして、登録団体へのタブレット端末の導入を支援することとしました。
議員御提案のポイント手帳の電子化は、ペーパーレスによる事務経費の縮減が図れるとともに、このタブレット端末と組み合わせて活用することにより、活動参加者、登録団体の双方の利便性の向上に資するだけでなく、高齢者の安否確認や防災情報の伝達など幅広い分野での効果が期待できる有効な取組と考えています。
このため、今後、選択可能とすることによって生じる課題も整理しながら、電子化について研究していきたいと考えています。

3.「新しい生活様式に対応した高齢者福祉について」
(2)成年後見制度20周年事業について

次に成年後見制度20周年事業について要望しておきます。
2020年は、それまでの禁治産制度から成年後見制度に移行して20年の節目となる年であるとともに、成年後見利用促進法に基づく国の第一次基本計画の4年目でもあります。
司法・行政・専門家だけの手に委ねられ、市民にとって利用しづらくなった、これまでの成年後見の欠点を改革し、市民がこの制度をもっと利用しやすくすることを目的として、2021年までに、各市町は成年後見制度の利用促進に関する基本計画を策定し、計画に基づく中核機関・地域連携ネットワーク等の整備を行い、さらに家庭裁判所ともさらなる連携を行う努力義務を負っています。
そのため、それを広く市民に啓蒙することが必須であり、さらに、後見制度に関わる行政・福祉・法律の専門家が今までの常識を変えることが非常に重要です。そこで、広島司法書士会等では、今年度、成年後見制度施行20年の記念事業を実施することとしておりますので、本市としても何らかの協力をお願いしたいと考えています。よろしくお願いいたします。

要望:

つぎに、スマホアプリを利用した「新しい生活様式」に対応した「高齢者いきいき活動ポイント事業」について、この仕組みはプッシュ型の情報発信を可能とする、プラットフォーム(基盤)となりうるものです。ただ、すべての機能を最初から実装するとなると、時間がかかります。最初は、ポイント手帳から実施し、アプリの更新の際に機能を追加するなど、スマホアプリの開発会社からの意見も聞きながら、進めていただくよう要望します。

4.「子宮頸がんの予防について」
(1)HPVワクチンの情報の正確な通知について

次に、子宮頸がんの予防について質問します。
子宮頸がんとは子宮の入り口部分(子宮頸部)にできる「がん」で、年間約1万人近くの女性が罹患し、約2,700人もの女性が亡くなっています。1日あたり7人強の方が亡くなっているのです。特に若い女性が罹患するがんの中では乳がんに次いで多く、早期に発見できれば完治する可能性の高い病気ですが、症状が進むと、子宮を摘出する手術に至るなど、妊娠、出産に影響するだけでなく、子育て中の女性が幼い子どもを残して亡くなるケースも多いことから「マザーキラー」とも呼ばれている怖い病気です。
現在、新型コロナウイルス感染症が問題となっていますが、国民を不安に陥れているこの感染症の5月31日の患者数は16,851名、死亡者数は891名であり、女性しか罹患しない子宮頸がんの患者数・死亡者数が非常に多いことは憂慮すべきだと思います。
子宮頸がんの原因は、ヒトパピローマウイルスというごくありふれたウイルスで、性交経験がある女性の80%以上が50歳までに感染を経験するといわれています。
そこで、子宮頸がんの予防法としては、ヒトパピローマウイルスの感染を予防するワクチン、いわゆるHPVワクチンを接種することで、ウイルスの感染を予防することが挙げられます。また、子宮頸がん検診を定期的に受けることで、がんになる過程の異常(異形成とも言います)やごく早期のがんを発見し、経過観察や負担の少ない治療につなげることができます。
さて、HPVワクチンは、現在、世界100以上の国と地域でプログラムとして定期予防接種の対象となっており、オーストラリアなど11カ国では感染源となる男性も定期接種対象となっています。
日本では、平成25年4月より、小学6年生から高校1年生の年齢の女性を対象として定期接種となり、公費による助成が受けられるようになりました。しかし、接種後に体の痛みなどの健康被害を訴える事例が多数報告されたことにより、厚生労働省の通達で平成25年6月から、自治体による積極的勧奨が行われなくなりました。そのため、一時は約70%あった接種率が、1%未満にまで激減しています。
さて、積極的勧奨が控えられるようになった原因である、身体の痛みなどの副反応については、患者団体からの要請で名古屋で約7万人を対象に実施された疫学調査(いわゆる名古屋スタディ)によって、ワクチンを接種した方と、ワクチンを接種しなかった方の身体の痛みなどの症状について、有意な差はないとされています。厚生労働省も定期接種を控えるほどの危険性は無いとしています。
また、HPVワクチンの効果ですが、厚生労働省の調査によると10万人あたり859人から595人が子宮頸がんになることを回避でき、また、10万人あたり209人から144人が子宮けいがんによる死亡を回避できる、と期待されています。
そこで、厚生労働省は、HPVワクチンについての効果、リスクや安全性、公費助成などの情報について周知する、定期接種の対象者向けのリーフレットを作成して、自治体による利用を促しています。しかしながら、昨年8月に厚生労働省で開催された副反応検討部会の、HPVワクチンの情報提供に関する評価についてのアンケート結果では、8割以上の方がこのリーフレットを見たことが無いことが示され、現在、定期接種対象者の方が公費により接種を受けることが出来る権利を知る機会が失われていることが大きな問題となっています。
また、約4割の方がHPVワクチンについて「分からないことが多いため、決めかねている」と回答し、情報不足のため接種の可否を判断できない現状も明らかとなっています。
そこで、3点お伺いします。 

質問:

1点目は本市における、令和2年度の公費による定期接種の対象者の人数、および、そのうち定期接種最終年の高校1年生の年齢の人数。

答弁:

令和2年度における本市のHPVワクチンの定期接種の対象者は、27,556人となっており、このうち高校1年生に相当する年齢の対象者は、5,489人となっています。

質問:

2点目は、令和2年度のワクチン接種対象者のうち、3回の接種を完了している者の人数および、そのうち定期接種最終年の高校1年生の年齢の人数。

答弁:

令和2年度の対象者のうち、3回の定期接種を完了している者は、本年4月末時点で106人となっており、このうち高校1年生に相当する年齢の者は、50人となっています。

質問:

3点目に、本市におけるHPVワクチンの定期接種の情報提供についての現状の取組を教えて下さい。

答弁:

本市では、国の勧告に基づき、平成25年6月以降、HPVワクチンの積極的な接種勧奨を差し控えています。その一方で、対象者が接種を希望する場合には、接種するワクチンやスケジュール、ワクチンの有効性や安全性などについて十分な情報を提供する必要があると考えています。
このため、これまでも本市のホームページで、厚生労働省のリーフレットを紹介するなど、HPVワクチンが予防接種法に基づく定期接種であることなどを情報提供してまいりましたが、昨年11月に、広島市医師会とも協議し、ホームページにおいて定期接種として接種できることや接種方法を従来より分かりやすく記載するとともに、HPVワクチンに関する国や医学会、製薬会社の情報をまとめて掲載するなど、その内容を大幅に更新し、充実させたところです。

実は、HPVワクチンの定期接種は計3回、1回目の接種から3回目までは6ヵ月の期間を空ける必要があります。 さらに、自費で接種すると1回あたり約16,000円、3回合計では約5万円必要となります。
本年2月2日に医療者有志の会が開いた勉強会では、今のままではHPVワクチンを知らずに公費による定期接種の対象年齢を過ぎてしまう人も出てくることが報告され、実際に定期接種を受けなかった大学生が費用が高額であることから、自費による接種を諦めた例も報告されています。
このような状況に危機感を持った自治体の間で、HPVワクチンの定期接種を周知していこうとの取り組みが少しずつ広がっています。兵庫県姫路市では、定期接種の勧奨中止後も接種案内を続けており、中学1年生の授業でワクチンの説明をする学校もあり、全ての中学校での取り組みを進めているとのことです。
岡山県では地元の産婦人科医の協力のもと、HPVワクチンを周知するリーフレットの作成に取りかかっています。 千葉県いすみ市では、昨年7月に高校1年生の女子がいる保護者に向け、定期接種の対象者であること・年度内に3回の接種を終えるには、1回目を9月末までに行う必要があることなどの内容を記載した通知書を独自に作成し発送しています。
さらに、茨城県では本年5月に県内の市町村に、HPVワクチンの情報の提供をするよう文書通知を行っています。 日本産科婦人科学会は、「自治体が行うHPVワクチンが定期接種対象ワクチンであることの告知活動を強く支持します」との声明を出し、日本小児科医会も、情報提供の要請を各自治体に出しています。
HPVワクチンは現在においても日本脳炎ワクチンやBCGと同じ予防接種法における定期接種A類として位置づけられており、「予防接種法施行令第5条の規定による公告及び同令第6条の規定による対象者等への周知を行うとともに接種機会の確保を図る」と、自治体には制度の周知が義務づけられています。定期接種の周知を行わないことは、市町村の不作為を問われる可能性も否定できません。
そこで、お伺いします。 

質問:

「何も知らないまま定期接種の対象期間を過ぎてしまった」という市民を出さないためにも、HPVワクチンの正しい情報を知って接種の判断をして頂くためにも、厚生労働省のリーフレットなどを利用して情報提供を実施することが有効です。特に現在の高校1年生の年齢の女子には、「公費による定期接種のためには本年9月30日までに1回目の接種を行う必要がある」ことを全員に周知することが重要であり、学校での配布ではそれが出来ない為に、個別の通知による「助成期間終了のお知らせ(権利失効通知)」みたいなものが必要ではないでしょうか? 付け加えると、厚生労働省のリーフレットは、近く変更が予定されているそうです。個別通知の書類に、リーフレットは近く変更される予定がある旨、および、QRコード等のリーフレット掲載のホームページのアドレスを記載して、これに対応すべきではないかと思いますが、本市のお考えをお聞かせ下さい。

答弁:

議員御提案のHPVワクチンの制度の周知方法につきましては、国が積極的な接種勧奨を差し控えるよう勧告する中で、どのように情報提供していくか、感染症の専門家や医師などで構成する本市の感染症対策協議会などにおいて、今後、検討したいと考えています。

4.「子宮頸がんの予防について」
(2)子宮がん検診の促進について

さて、HPVワクチンは、16型18型以外の高リスク型HPVが原因となる子宮頸がんを予防できず、さらにHPVワクチンを接種していない方も数多くいます。しかも、子宮頸がんは全般的に自覚症状がほとんどないと言われており、早期発見の一番の近道は、定期的な検診を受けることといわれています。
早期発見をすることで、負担の軽い治療などにつながります。現在、20歳以上の女性は、2年に1回の頻度で子宮頸がん検診を受けることが推奨されています。
そこで3点お伺いします。  

質問:

①本市における、子宮頸がんの検診の取組はどのようになっていますか?
②平成31年度の年代別の子宮頸がん検診の受診者数は何人でしょうか?
③子宮頸がん検診の受診者数の向上への取り組みはどのようなことを行っていますか?お聞かせ下さい。

答弁:

本市では、職場等で子宮頸がん検診を受診する機会がない20歳以上の女性を対象に、国の定める基準に従い、2年に1回、年度初めに受診券を個別に送付し、子宮頸がん検診を実施しています。
こうした中 、平成31年度の年代別受診者数は、20歳代は5,289人、30歳代は7,560人、40歳代は7,353人、50歳代は4,943人、60歳代は4,922人、70歳代以上は4,246人となっており、全年代では、34,313人が受診し、前年度より1,453人(4.4%)増加しています。
また、子宮頸がん検診の受診者数の向上を図る取組としては、休日検診や託児付きの検診を実施し、仕事や育児に忙しい女性が受診しやすい環境づくりに努めています。加えて、検診を受診する動機付けを行い、がん検診の受診を促進するため、検診の対象初年度に当たる20歳の女性には、無料クーポン券を送付しています。昨年度は、当初送付したクーポン券に、受診の手順をより分かりやすく記載するとともに、未受診者には、年度の後半に受診を強く促す勧奨はがきを送付するなど取組を工夫したことにより、このクーポン券を利用した受診者数は、前年度の約35%増の519人となりました。
今後も、こうした取組を継続しつつ、成人祭や子育てサークルでの健康教育などにより、若い世代へ啓発するとともに、医療機関や、民生委員児童委員協議会等の地域団体、民間企業と連携した取組を行うことなどにより、子宮頸がん検診の一層の普及啓発に努めてまいります。

要望:

子宮頸がんの予防について、前向きな回答ありがとうございます。 また、市のホームページへのリーフレットを含めた正確な情報の掲載もありがとうございます。
ただ、HPVワクチンのリーフレットのことを全く知らない方が、80%以上いることから、ホームページに積極的にアクセスして情報を取得する方は、あまり見込めません。
たしかに、副反応に今も苦しむ方への配慮は必要ですが、現在の対象者へ正確な情報を通知することが必要なことは、予防接種法の目的からも明らかです。市の不作為責任を問われる可能性があることからも、また、現在高校1年生が、公費での接種をするためには、あと4ケ月しかないことからも、何らかの対策を早く要望します。
子供を願っている若い女性が困らないように、子育て中の女性が幼い子どもを残して亡くなる悲惨なことを防ぐために、ワクチンで防ぐことが出来る数少ないがん患者を少しでも少なくするために、本市においても積極的な取組をお願いします。

5. 広島市所管施設のサーモグラフィーの設置について

次に、広島市所管施設のサーモグラフィーの設置についてお聞きします。本市において、市民の皆様に新型コロナウイルス感染症の予防対策として、イベントなどでは
・入場者の制限や誘導
・手洗いの徹底や手指の消毒設備の設置
・マスクの着用
・室内の換気や人と人との距離の確保等の基本的な感染対策を徹底する
などをお願いしております。
また、広島平和記念資料館、広島城、広島市現代美術館、そして本日から広島競輪場では入館時に検温を行う事としています。このときに、体温を測定するサーモグラフィーを利用しています。
台湾ではいち早く、このサーモグラフィーを様々な公衆の場に設置することなど、優れた対策を取ることにより新型コロナウイルス感染症の抑え込みに成功しております。
さらに、大阪府庁舎など他都市においてもサーモグラフィーの設置をしているところです。
このサーモグラフィーについて、先日業者の方からお話しを伺い、現物のデモをしていただきました。
サーモグラフィーは値段によって体温を計測する精度が異なり、また、一人一人検温するハンディータイプ、一度に10人程度の検温を行う据え置きタイプなどタイプによっても値段が違うようです。
サーモグラフィーを設置する際に必要なことは、
施設への入館の際に移動する場所・移動線を確定する必要があること。
サーモグラフィーの管理者を置くこと。
発熱者が入館した際の対応を決めること。
などがあります。
本市において、今後、新型コロナウイルス感染症対策、とくに第2波以降の感染拡大を予防すること、市民の皆様に安心していただくことから、既にサーモグラフィーを設置した4施設以外の、広島市所管の施設にも基本的にサーモグラフィーの設置などの対応が必要だと思います。
そこで、お伺い致します。  

質問:

広島市が所管する施設のうち、屋内の施設で、不特定多数の方が利用する可能性のある施設、例えば、図書館、公民館、福祉センターはどれくらいあるのでしょうか?
また本市は、これらの施設に対するサーモグラフィーの設置について、どのようにお考えでしょうか? お聞かせ下さい。

答弁:

議員が例示された施設の数については、図書館が13施設、公民館が71施設、福祉センターが14施設あります。 施設にサーモグラフィーを設置し、入館者に検温を行うことは、議員御指摘のとおり、感染症の拡大予防に資するとともに、利用者に安心感を与えると考えています。
本市としては、今後、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金制度を活用して、所管する施設へのサーモグラフィーの設置拡大を図ることを考えており、施設の利用人数や設備の管理等に必要となる人員などを勘案して、設置する施設の検討を行ってまいります。

要望:

次に、広島市所管施設のサーモグラフィーの設置について、先日業者から聞いたサーモグラフィーの値段は、何れも定価ですが、一人一人検温するハンディータイプが20万円、一度に10人程度の検温を行う据え置きタイプが80万円で、調達も1週間以内に100台程度はすぐにできるとの事でした。
一部の業者は、調達に非常に時間がかかるとも聞いています。入札の際には、調達期間の条件も是非検討下さい。

6. 行政事務の品質の向上について

最後に、行政事務の品質の向上についてお伺い致します。
先日、我が会派の議員が相談を受けた案件で、本市の建設工事の事務の中で、本来行うべき事務作業の一部を行っていなかったことが判明しました。ヒアリングを行うと、その事務作業においてチェックリストなるものが存在していましたが、チェックのポイントは記載されていませんでした。その結果として、一部ではありますが漏れていた事務があったことが分かりました。
さて、業務の品質を高めるために、「ちゃんとこういうことをしましょうね。」ということを規定するマネジメントシステムに対する国際標準規格があります、ISO9001という規格です。
これの規格はわかりやすく言えば、「継続的に品質を高めるために必要なマニュアルを構築し、改善していくための仕組み」です。
ISO9001では、「こういうルールを決めましょう」とか、「不良品が出た場合の対処手順を決めておきましょう」といったことが求められており、規格に従ってマネジメントシステムの策定を進めることで、どのような業態であっても、民間でも公共団体でもISO9001の規格に適合することができるのです。
これは、公共事業でも対応できるものです。
そこで、お伺い致します。  

質問:

本市において、ISO9001の認証は取得していますか?
取得していなければ、継続的に品質を高めるために必要なマニュアルを構築し、改善していくための仕組みはあるのでしょうか?
また今後、市民へのサービス向上という観点からも、ISO9001に準拠した仕組みは必要だと考えますが、本市のお考えをお聞かせ下さい。

答弁:

本市において、ISO9001の認証は取得しておりません。
しかしながら、今年2月に行政経営改革推進プランを策定し、市民本位の行政サービスの提供や効率的な行政システムの構築等に向けて、全庁ー丸となって取組を始めたところであり、また、必ずしも市民サービスに直結しない内部事務等についても、効率化だけでなく、質の向上も含めた職員の「仕事の改革」に、本年度から積極的に取り組んでいくこととしています。
さらに、本年度から導入した内部統制制度により、事務を処理する上で生ずるリスクの把握・評価及びリスク対応策の整備を行った後、その対応策を実施し、その後、評価を行うことなどにより、事務の適正な執行を確保することとしています。
以上の取組の趣旨は、製品やサービスを管理する方法を標準化するというISO9001の趣旨にも通ずるものであり、今後とも、市民サービスの向上に向けて、当該取組を積極的に推進していきたいと考えています。

要望:

最後に、行政事務の品質の向上について、丁寧な回答ありがとうございます。
行政事務の改善において、問題点の発見が重要であり、故意・重過失など本人の帰責性が強い場合は検討が必要ですが、基本的に問題発生について人事評価に悪い効果は発生させず、改善の取り組み自体を評価する仕組みづくり、また、各種研修などで全庁職員に周知することが必要だと思います。是非、ご検討ください。

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